先週さぼってすみません。
今回はみんな大好きクリッピングダイオードの話です。
世の中にクリッピングダイオードという名前の素子があるわけではなく、
あるダイオードの性質を使って、波形を歪ませるとき
そのダイオードのことをクリッピングダイオードとこのブログでは表現しています。
今回はかんたんなオーバードライブの回路を参考にします。
オーバードライブという名前で売られているエフェクターは
だいたい負帰還にこのようにしてダイオードが挟まってます。
これをクリッピングダイオードという風にこのブログでは呼ぶことにします。
さてここにダイオードを入れるとどうして歪むのでしょうか。
ちょっと間違えていたらすみませんが、僕はこういう解釈をしています。
歪み = 波形の歪み
波形が同じような形で、
時間軸に対して拡大縮小したみたいなのであれば似た音色で、
音の高さ(周波数)だけが違います。
ですが、このようにして、波形の形がガッツリ異なる場合、
音色が違います。
音色の違いはその音に含まれている倍音の違いによって生まれます。
ちょっと倍音調べてみましょう。
一番上のサイン波。
サイン波ですから、もちろん周波数と同じ音しかでてないので、
倍音は出てません。
真ん中のノコギリ波
ノコギリ波です。
偶数次倍音、奇数次倍音どちらもよく出ています。
というか、ノコギリ波はサイン波に周波数が
偶数倍の音と奇数倍の音を足してできる波形なので、
こうなるのは、原理上当たり前です。
一番下の矩形波
こちら矩形波ですが、奇数倍音しかでてません。
この記事かいていて気がついたのですが、
僕はノコギリ波と矩形波の倍音構成を逆で覚えてました。
矩形波はサイン波に周波数が奇数倍の音を足してできる波形なのに、
なぜ逆で覚えていたのか不思議です。本当に馬鹿です笑
ちょっとYoutubeで調べて聞いてもらいたいんですが、
サイン波を聞いた後に、矩形波やのこぎり波を聞くと、
ギターを歪ませたときと同じようなニュアンスを感じるんです。
僕だけかもしれませんが笑
何が言いたいかといいますと、波形を変形させれば、
倍音の出方が変わるということです。
波形的にいうと、元のギターの波形が変形し、
倍音が無茶苦茶でてる状態の音を
歪んでいる
と我々は表現しているのではないでしょうか。
歪みも一種の音色変化というわけです。
多分、元の波形をある程度保ちながら変形するので、
ギターが歪んでいるとわかるんじゃないですかね。
あまりにも元の形から離れるとそれは違う楽器の音になると思います。
前置きが長くなりすみませんが、本題へ行きます。
オーバードライブは、上の僕の解釈でいけば
元の波形をある程度保ちながら、波形を変形させる機械です。
さてどのように変形させているのか。
このタイプのオーバードライブで考えていきます。
TS808と同じスタイルです。サウンドハウスさんでチェック。
ダイオードにはVfという値があります。
ダイオードの両端に電圧をかけていって、その電圧がVfを超えるとダイオードに電流が流れ始めるというやつです。
書いてて頭がこんがらがってしまったので、
以下はちょっと簡単に考えた話です。
ダイオードの両端間の電圧がVfをこえているとき、
負帰還に流れる電流がダイオード側に迂回します。
例えば、今この図ではR5が帰還抵抗ですが、
Vout – Vin = R5 x I の
Iの部分が、ダイオード側に迂回していき
Iはダイオードがない増幅回路と比べ小さくなる。
という感じで、増幅回路は出力電圧-入力電圧がVf以上にならないように動く。
ということは、本来Vf以上になったはずの波形の上の部分が本来の大きさで出力されない。
波形の上と下が、変形するというわけです。
元の波形のまま増幅されず、波形が変形するというわけです。
この波形の変形こそが歪みの原因のはずです笑
要はVfより大きな出力はでない。
一種のコンプレッサーのようなものという解釈でも良いかもしれません。
オシロスコープを持っていないのでちゃんとした波形をお見せすることができずすみません。
またオシロを買ったときにでも加筆します。
ダイオードのVfの違い
ダイオードの種類によってVfが違います。
データシートに書いてあるのでそちらでご覧いただければと思うのですが、
よく使われるシリコンダイオード、
1N914とか1N4148, 1N4002とかですね。
これがだいたい、0.5V-1.2Vぐらいですかね。
ゲルマニウムダイオード、1N60,1N270とかですね。
こちらはめっちゃ低くて0.1-0.3Vぐらいかな。
ショットキーなんかもそうですね。
LEDもダイオードです。
こちらは多少色によって違うんですが、
1.8V-3.6Vぐらいまであったような。
かなり大きいです。
Vfの違いで、コンプ感をかえることもできます。
さっき言った話です。
この増幅回路は、ダイオードのVf以上の電圧ができないように動作しています。
コンプ感を求めないのであればLEDなんかが良いんじゃないでしょうか。
Vf付近での電流の流れ方の違い。
よく、LEDは荒っぽい歪みなどと言われますが、
電圧に対しての電流の変動の仕方が違うからでは?と思います。
全く根拠はありませんので、参考程度にお願いします。
今まで上ではずっと、
Vfを超えた瞬間に急にドーンと流れるみたいなふうに話しましたが、
実はそうでもないです。
ダイオード Vf 特性などで画像検索してみると、
ダイオードによって、
電圧に対しての電流値の変化の仕方が違うことがわかると思います。
やたら急激な変化をするものやゆったりと変化するもの、
いろいろあるので、ダイオードによって音が多少変わるのもありえると思うんです。
Vfを超えた瞬間から、電流がすべて、ダイオード側に迂回しないこともあります。
いろいろややこしいので、このへんは
いろいろ試してみて聴覚上どうかというのも大事ですね。
さて、今回はとりあえず、ダイオードを挟むことで波形が歪むという話をしました。
ちょっとわかりにくいなと自分でも思うんですが、
今の僕ではこれが限界ですので、もっと勉強してそのうち書き直しますね。
ではまた。
他ではあまり見られないダイオードの挟み方。サウンドハウスさんでチェック。