お待たせしました。長らく放置すみません。
原理編お久しぶりです。
最近、持病で医者に通ったりでいろいろ忙しくて放置してしまっていた原理編。
すみませんでした。
どうでもいい話ですが、お薬手帳って結構いいデザインしてますよね。
体調もかなり良くなってきたので、そろそろ原理編再開します。
本日は概要なので大して中身はありませんが、
来週からは今日扱ったことを掘り下げます。
エフェクター原理編 増幅部の概要
今回増幅部と読んでいるのは、上のピンクっぽい色で囲んだところです。
非反転増幅のほうがよく出てくるので、
とりあえずオペアンプを使った非反転増幅回路だけを解説します。
反転増幅の方はまた別の機会に。
オペアンプには入力端子が2つついていますが、非反転増幅というのは、
非反転増幅端子(オペアンプの+端子)に入力する増幅回路です。
入力した信号の位相と出力される信号の位相がだいたい同じになります。
だいたいと書いたのは完璧に同じにならなかったりもするからです。
ただ細かいことは1回気にしないでおきましょう。
同じ位相で出てくると今は考えます。
位相ってのはなんやって思わはるかもしれませんけど、
今の段階では特に重要ではないので流してもらって結構です。
そのうちどっかで解説します。
また今は負帰還という言葉はあえて使わないでおきます。
C2:発振どめのコンデンサ
オペアンプは、周波数が高くなるとちゃんと出力できなくなってきます。このとき、発振という現象を起こすことがあります。
ギターの世界で言うとフィードバック、一種のハウリングです。
ピーーーーーってなったりします。
これは厄介です。
詳しいことはそのうち扱いますが、
ここにだいたい50~100pFのコンデンサを突っ込んで、
発振を抑えます。
D1とD2:お馴染みのクリッピングダイオードですね。
こいつが歪みを作っています。ダイオードには順方向電圧Vfというものがあるんですが、
これを出力-入力間電圧が超えた時にクリッピングが起きます。
クリッピングというとなんか大げさなことが起こっているような感じがしますが、
簡単にいうと波形の形が崩れる現象です。
波形が歪む(ゆがむ)と音が歪む(ひずむ)んです。
ダイオードは種類よってこのVfが違ったり、Vf付近での挙動が違ったりするので、
ダイオードを変えると歪みの質感がかわるんです。
R4:帰還抵抗なんてよばれますね。
出力から、オペアンプの反転入力(-端子)の間に、いろんなパーツが並列で入っていますが、この間のことを負帰還といいます。
出力から負(-)入力端子に信号が帰って行っているので帰還と呼ばれるわけです。
なのでこの帰還回路に挟まっている抵抗のことを帰還抵抗と呼んだりしますが、
名前はあまり重要ではありません。この抵抗は主にゲインの設定を担っています。
ここの抵抗値が大きくなればゲインがあがります。
つまり世の中のオーバードライブは基本的にここに可変抵抗をぶち込んで、
ゲインをつまみでいじれるようにしています。
またゲインはR5との関係で決まるので、
R4の値を考えるときは、R5の値も考えなくてはなりません。
もちろんそのへんの設定の仕方も来週解説します。
R5:こいつがあるから増幅できる。
こいつがいるから増幅が始まるような感じの重要な抵抗です。隣にコンデンサがくっついていることもあります。
そのコンデンサは必須ではありませんので、概要に載せていませんが、
いずれ取り扱う予定です。
この抵抗の先はBIASにつながっています。
コンデンサが一緒にある場合はBIASに繋がっていないこともあります。
オペアンプの出力負荷になるので、ここには大概1kΩ以上のものを用います。
オペアンプに負荷をかけ過ぎないようにするためです。
ちょっとややこしいかもしえませんが、次回ちゃんと解説します。
まとめ
今回は概要どまりで細かい話はしませんでした。
そんなに増幅部は難しくありませんので基本的なところの理解は簡単にいけます。
ただ結構奥が深いので、この増幅部にこういう回路をいれるとこうなるとか、
いろいろあって面白いです。
この辺はなかなか説明できませんが、
気になる方は
例えばシミュレーテッドインダクタを組み込むとか
いろいろ楽しめますのでやってみてください。
土日を中心に原理編はやる予定をしていますのでよろしくお願いします。
次回はゲインの決め方について説明します。
では次回もお楽しみに。
僕が普段使っている回路図はTSをモチーフにしていますが、
このエフェクターも同じ手を使ってます。サウンドハウスさんでチェック。