2016/04/25

コンデンサーの選び方 エフェクター自作の助け


コンデンサっていろんな種類があってややこしいですよね。

難しいことは抜きにして、

これだけ抑えておけばとりあえずエフェクターは作れる!

というポイントだけ紹介します。

ちなみに、コンデンサはキャパシターと書かれていることもあります。

コンデンサは英語でキャパシターと言います。



基本的にコンデンサーは、静電容量で使う種類を変えます。


静電容量っていうのは、μFとかnFとかpFのことです。

読み方は、左からマイクロファラド、ナノファラド、ピコファラドです。

気分的にファラッドとちっちゃい『つ』を入れて呼んだりもします。

μってわざわざ書くのがうざったいので、よくuと代わりに表記します。

ちなみに、1000pFで1nF。1000nFで1uFです。

海外のサイトだとよく220nFというようにnF表示してる場合が多いですが、

220nFなら0.22uFです。

あと耐圧についてですが、

エフェクターはだいたい9Vが電源電圧ですので16Vでも問題ないんですが、

ACアダプターの性能や、突然なんらかの原因での過電圧をちょっと考えて、

余裕をもって25Vぐらい以上ですかね。

昇圧してるエフェクターなら、35V以上使っておけば基本的に大丈夫です。

なぜ静電容量でコンデンサの種類を変えるのか


一番簡単な理由はコンデンサ自体のサイズです。

例えば、フィルムコンデンサで10uFのものを使おうとするとデカすぎて、

エフェクターを組み込むときケースに収まりません。

ゆえに大体、以下のような感じで使い分けます。

2.2uF以上ならだいたい、電解コンデンサー


基本的に極性といって刺す向きがあります。

帯(このコンデンサですと黒色の部分)がある方がマイナスです。

間違えないようにしましょう。

僕のオススメは、極性のない電解コンデンサです。


この緑色のやつ、MUSE BPシリーズです。

初心者の方はこれでいいと思います。

どっちにさしても基本的に問題ないので、使いやすいです。


100uFとか47uFとか、ほかのコンデンサよりも遥かにでかいコンデンサは、

電源部のコンデンサなので、低ESRなどと書いてあるコンデンサの方が良かったりもします。

秋月電子さんに売っている電源用電解コンデンサを使ってみるのもいいかもしれません。

ただちょっとデカいかもしれないので、

NichiconのMWシリーズがお勧めです。

100uF http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-08376/

47uF http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-08379/

2.2uF未満ならフィルムコンデンサ


フィルムコンデンサで、

2.2uF以上のものは、でかすぎてエフェクターのケースになかなか収まりません。

電解コンデンサは周波数特性(簡単に言うと音を通す能力)がイマイチなので、

1uF以下のコンデンサはフィルムを使います。

基本的に極性はありません。

極性のあるフィルムコンデンサは僕は見たことないと思います。

左のは秋月電子さんで、とても安くで売っている評判の良いやつです。

RubyconのF2Dというものです。

右のはBOX型と呼ばれるタイプで非常にコンパクトで基盤に組み入れやすいです。

WIMA社のMKS2が有名です。

Garettaudioさんに売っているArcotronics社のものが個人的にオススメです

先ほど電解コンデンサよりもフィルムの方が特性が良いと言いましたが、

エフェクターはオーディオの世界とは違いますので、

電解コンデンサの特性の悪さがまた味にもなります。

といってもそんなに変わらないかもしれませんが。

まあでも2.2uF未満なら、

フィルムコンデンサの方が、コンパクトなので、わざわざ電解を使う必要もないでしょう。

ポリプロピレンとかメタライズドポリプロピレンとか書いてあるコンデンサは、

フィルムのくせにデカいので、気を付けてください。

基本的に、ネットで拾えるレイアウトはさっきのRubyconのコンデンサや、

Wimaのサイズを基に作られています。

pF台は、セラミックコンデンサーやシルバーマイカを使います。


この画像のものは積層セラミックコンデンサです。通称、積セラ。

普通のセラミックは、茶色っぽい色をしてます。

積層セラミックでも同じようにつかえます。

ただセラミック系は、高域が荒れたりする特徴があるのでそれが嫌な方は、

シルバーマイカを使うか、スチロールコンデンサを使いましょう。

スチロールコンデンサ(スチコン)はxicon社のものしか手に入りません。


これがスチロールコンデンサ通称スチコンです。

ただちょっと初心者のかたには扱いにくいかも。

シルバーマイカというのは、


こんなやつです。

これは使い回しなので足が短くなってますが、本当はもっと長いです。

高級な部類に入るコンデンサです。

フィルムコンデンサで代用できるならしてもいいですよ。

よく使われるコンデンサを少し紹介すると


2.2uF以上はFine Goldシリーズや、

緑色のMUSEなどがよく使われます。

僕はよくNichiconのMWシリーズを使っています。

ちっちゃくてケースに収めやすいんですよ。

信号に直列で入ってる10uFには、

タンタルコンデンサーもよく使われますが、

初心者の方には、あんまりお勧めしないです。

結構はんだ付けに慣れてない人が、

パーツに熱を与えすぎてパーツを壊すということがあるんですが、

タンタルコンは壊れた時に、足がショートするので危険だったりする。

危険というとちょっと言い過ぎかもしれないけど。

大体のエフェクターの一番最後にあるカップリングコンデンサは1uFでも代用できるので

音を気にする方は、1uFのフィルムコンデンサに変えてみましょう。

回路によってはちょっと低域が切れるかもしれませんが。

オーディオ的にいいコンデンサを使えば、良いエフェクターになる?


というのはちょっと間違いで、

これは良いエフェクターをどう定義するかという問題でもあるんですが、

例えば、

グランジ系のロックやるのに音抜けとか分離感を抜群に良くしてもなんか微妙になるわけですよ。

だから結局は、プレイヤーの好みに応じて、パーツを選定するのが一番だとは思います。

またそこが、自作の醍醐味です。

それにパーツを変えたことによる音の変化が、

僕らの耳で聞いている音に、そこまで影響してくるかどうかも微妙なとこです。

高価なパーツを使うとプラシーボ効果で良い音に感じることはあると思いますが、

歪ませてるということもあって、そこまではっきりと違いを言い当てるのは難しいかもしれません。

同じ定数では、パーツのグレードよりも、

例えばフィルムコンデンサならフィルムの部分に何を使っているかといった、

構造的な違いの方が分かりやすく音が変わるかもしれません。

毎度言っているんですが、エフェクターはオーディオの世界とは違いますので、

どういう音でもそれは味になります。

なのであんまり気にしてもしゃーないです。

まとめ


いろいろ言いましたが、やっぱり、

高いブティック系を安く作るということが、自作のきっかけという方が多いと思うので、

ブティック系と同じパーツを使ってみたいと思いますが、

抵抗のところでも言いましたが、失敗するとゴミになるので、

最初のころはあまり高いパーツを使わない方が良いと僕は思います。

というわけで、ルビコン社のフィルム、ニチコン社の電解と、その辺のセラミックコン。

秋月電子さんで全部手に入るのでこれでいいと思います。

ブティック系風にいくなら

WIMA社のフィルムや、ニチコン社のMUSEブランドの電解。

あとはどっかのシルバーマイカ。となるわけです。

こんな感じです。

今回は登場しなかったマニアックなコンデンサについても別の記事で紹介していますので、

ぜひご覧ください。

抵抗編はこちら

ではまた。

個人的にブティックといえばこれ
個人的にブティックといえばこれ
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